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減少するメールといろいろ

年賀状が減少していることは周知の事実かと思います。
お年玉年賀はがきの発行枚数は04年用の44億5636万枚をピークに減少が続いています。07年用は04年と比べ15%減の37億9000万枚で4年ぶりに40億枚を割りました。パソコン利用者の拡大に合わせ、98年用からインクジェット用紙の年賀はがきを発行したが、これも05年用の22億7518万枚をピークに減少し続けているようです。

年賀状発行枚数減少の最たる要因となっていた電子メールですが、これが今減少傾向にあるといいます。

世界人口やインターネットの普及率といった変数はさておき、単純にこの世に発生しているコミュニケーションの量というのはその絶対量・相対量ともに増加していると思います。にもかかわらず、なぜあの電子メールが減っているのでしょうか?

WeblogやSNS、WikiといったWeb2.0の台頭がその理由と言われています。
メール以外にコミュニケーションの代替手段が登場し、場合によってそれらと電子メールとを使い分けるといった状況が生まれていると。

人々のコミュニケーションの在り方が確実に変化を遂げています。しかも、急激な形で、またITという形に拠って。
一般社会でのディジタルディバイド(格差)がより顕著になるでしょう。

僕個人としても中学生の頃からだいぶコミュニケーションに関する在り方は変わっています。
中学の頃は、対人的なものでいえば、直接対話をするか、もしくは電話をするか、それぐらいしかコミュニケーションをとる手段はありませんでした。また、非対人的なもの、例えば情報収集については人に聞くか、本を読むか、自分の頭で色々と想像力を働かせるか。
一転、今はそんなことはありません。対人的には、電話というものは少し影をひそめ、かわりにSNS、電子メールが圧倒的に増えました。特に変わったところといえば、2chやオンラインゲーム等を介して全く名前も顔も知らず関係性がゼロの相手とのコミュニケーションが圧倒的に増えたところでしょうか。情報収集にしても、Google等をはじめとするインターネットを介しての情報収集が9割以上を占め、逆にゼロベースで自分の頭で想像力を働かせ考える機会が少なくなってしまったのではないかと思います。効率性の面からいえば回答をネットで探すほうがよいのですが、想像力が劣化するという恐れも感じています。
また、今私の会社が生業としているコンサルティングサービスというものは、コンサルタントとクライアントとの知識の格差があることで、それが結果コンサルタントの付加価値に繋がっており商売が成立しているという側面があります(そのほかにも労働力不足を外部のリソースで補完するだけというような意味合いもありますが)。これはコンサルタントとクライアントとの間で情報量が非対称であると換言することができます。こういう商売形態の中で、世界にあらゆる知識が溢れ、それらが補完されるということは、この情報の非対称性の構造が変わることを示しており、少し微妙なわけです。

今まで右肩上がりを続けていたであろう電子メールの量が下降傾向にある、この事実はまたコミュニケーションのあり方が一つのパラダイムシフトを迎えたのではないかという感慨があります。

YAHOOが一つのサービスをはじめました。
http://brplus.yahoo.co.jp/brplus/pc/

サービスを簡単に説明します。ある商品・製品に関するNewsがあり、自分で好きなNewsを選択し、そのNewsに関するブログを書くというものです。

次にビジネスモデルを簡単に説明します。まずは企業がYahooに対して固定の金銭を支払います。Yahooはその企業の製品に関するNewsを掲載します。ブロガーはそのNewsに関するブログを書くことで還元可能なポイントを得ます。

これはつまり、これまで消費者同士で非経済的インセンティブのもと行われてきた「口コミ」に経済原理を持たせたモデルということになります。

これまでも口コミを一つの形にしたサービスは提供されていました。例えば、化粧品でいうコスメ.comや価格.comというのは最たる例でしょう。しかしYahooのサービスとこれらが決定的に違うところは、直接的な利害関係者である企業が明確に介在しているかどうかというところにあります。

直接的な利害関係者である企業と、それをスポンサーとするYahoo、その背景が見えているこの口コミブログの形態はともすれば公平性を欠く事態を引き起こします。このことは、その商品に対して欠かれたブログの信頼性への不振を招きことを誘引します。

加えて、インターネットの世界では情報提供者の匿名性が確保されていることを鑑みると、更に情報新来世の確保は難しいものとなりますし、またこのことが何か問題を引き起こした場合に詐称の提訴先を求めることも困難になります。

インターネットは、企業によって行われてきたEnterpriseな利用方法、そして個人によって行われてきたPersonalな利用方法、これまでは2つに分かれており、これら2つは製品の売買等の直接的な関与しかなされてこなかったのが実体です。しかしながら、今後は間接的に、また時として隠匿された形で、企業と個とか交わり、そこに利害が発生することになるのでしょう。

こうなりますと、何か法整備でもされない限り、個として世の中に溢れる情報の検閲をどう働かせるかというところに拠るしかないわけですが、(前述のとおり)個人が想像力を働かせて考える機会が減り想像力に欠如した人が増えるのではないかという不安を考えますと、なんとも恐いなぁなんてことを思うわけです。


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