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選挙色々

たとえば、党首演説を見る。安倍さんの演説は昔に比べて上手くなったと思う、自分の温厚なキャラクターとのギャップをみせ、激情の演説を見せるようになった。社民福島さんの倒置法を多用した演説は時として生理的嫌悪感を促す、倒置法は適当な回数で配置された場合には効果があるか、多用する彼女には煩さしか感じられない。新党日本の田中さんの演説は文化人の匂いが抜け切らない、立て板に水の如く並べられた上品且つ斬新な言葉の一つ一つは、おそらく大学出のインテリゲンチアの耳にしか届かないだろう。

僕の住む新小岩の駅前でも、「○○を宜しくお願いします。○○、○○を宜しくお願いします。学生時代に田久でならしたフットワークが自慢です。フットワークは軽く、責任は重く。」と。最早何をいいたいかわからないし、こうもなると不快にすら感じる。しかし、結局、札に候補者の名前を書くとき、こういう演説が有効打になる。

僕らが得る情報は、情報発生源からの伝達過程において、自分以外の第三者、ある思想、ある概念、様々なものによって不本意な取捨選択を受け、偏ったかたちで耳に入る。例の爆弾発言は久間さんが地方で行った非常に閉ざされた会議体から拾ってこられた。赤城さんの事務所費問題は、それらと同程度の問題は彼に限らず、また与党野党に限らず、散らばっていると推察できる。これは邪推ではないだろう。
あるタイミングで、ある事件が、報道される。神のみえざる手ではないが、「ある情報をインプットとして、これまでの自分の知見及びポリシーを通じて、考えをアウトプットする」という一連の思考プロセスは、「ある情報」というインプット部分からして誰がしかの作為が働いている。

選挙戦略というのは、ある短期間のうちに凝縮された面白いマーケティング劇の一つ。
仮説をたててから、検証までの日数が比較的短いため、毎度選挙のタイミングでは、いろいろなことを考えさせられるし、年をおうごとに各候補者のマーケティング的周到さが増しているように思われて、なにか恐ろしさすら感じる。

というわけで、映画紹介。
東大出身の主人公がひょんなことから地盤もなにもないしに選挙に出馬したときの模様をうつしたノンフィクションドキュメンタリー。日本の選挙の異様さを、皮肉と笑いを含め上手く捉えており非常に面白い作品。


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この映画、外国から日本の政治を理解する(理解しにくいと理解する)ために、貴重で類を見ない映画、と何かで読んだ記憶があります。
by (2007-09-02 17:49) 

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